CULTURE CLASS
カルチャークラス
OPERA
オペラ鑑賞会
リバティヒルクラブでは、「オペラ鑑賞会」を年数回開講しています。現役のオペラ歌手の竹村真美さんによる作品解説の後、劇場にて実際にオペラを鑑賞する企画です。
竹村 真実
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公演により料金が異なります。
「オペラは敷居が高くて、難解…私には無理。」そんなあなたに、現役のオペラ歌手の竹村講師が、オペラの魅力・楽しさを紹介します!
オペラを観劇した事がありません。
オペラという⾔葉はどなたでもご存知でしょうが、実際に劇場に⾜を運んだ事がある⽅は、どの程度いらっしゃるでしょうか。
ミュージカル、コンサート、ライブ、映画、歌舞伎等は観た事があるけれど、オペラを観に劇場に足を運んだ事がない、という話をよく⽿にします。
それは⼀体何故なのか、その疑問にお答えします。
敷居が高そうで、⼀歩が踏み出しづらいです。
オペラを擬⼈化するならば、セレブな外国⼈といったところでしょうか。
①「オペラさん」に話しかけようにも⾔語が分からない ②⽂化の違いで、内容が理解出来そうもない ③交友費が⾼そう ④⾃分が「オペラさん」と交友する姿をイメージ出来ない等々。
この様な思い込みをされている⽅が、多いのではないでしょうか。
ああ、なんて可哀想な「オペラさん」。実はとてもフレンドリーで、親身に⼈⽣相談のヒントをくれる友人になるのに!
「⾔葉」が分かりません。
オペラは西洋の文化なので、⾔語も外国語が多いです。
ですが、字幕がついている公演がほとんどです。
その点では映画と何ら変わりませんので、ご安⼼下さい。
「ストーリー」が難しそうです!
これは本当に思い込みと⾔わざるを得ません。実はオペラの名作となっているものは、ストーリーがシンプルなものがほとんどなのです。
オペラは、⾳楽の芸術、特に声の芸術で、⼈間の⼼情、幸せ・苦悩・喜怒哀楽を、⾳楽でどの様に表現しているかを楽しむものだからです。
ストーリーが複雑だと内容を追う事に精⼀杯で、歌や⾳楽を味わう余裕がありません。
オペラは、ストーリーがシンプルか、台詞部分でさらりと進められる為、曲については役の感情をいかに素晴らしい⾳楽で表現されているかのみを堪能して頂ければ良いのです。
オペラさんは細かい事は気にしないで、⾃分の⼼情を感情豊かにお話しなさる⼈なのです。
「高額」で「ドレスコード」も分かりません!
オペラ公演のチケットは⾼めのSS席もあれば、リーズナブルな座席もあります。つまり、どなたでもウェルカムな舞台なのです。また、ラフ過ぎる服装(ジャージ・短パン・サンダル等)でなければOKです。
素敵なオペラさんと会うからには、いつもよりちょっとおしゃれしてみようかしら、程度のデート感覚の楽しい気持ちで、服装を考えて下されば良いと思います。
⾃分がオペラと関わる姿が想像出来ません!
皆さんご存知の『ロミオとジュリエット』は、⽂化や時代やが違っても、理解に苦しむ内容ではないでしょう。
登場⼈物たちそれぞれに、思い・⽴場・欲望・義務があり、それに翻弄されて苦しみながら、それでも懸命に⽣きる姿は、時代や国境を超えて、誰でも共感出来るものではないと思います。オペラも世界中の⽂学の名作が原作となっているものが多く、⼩説の名作が映画化、漫画化されるのと同じなのです。
オペラの最⼤の魅⼒は何ですか?
オペラの最⼤の魅⼒は、質の⾼い芸術を“⽣”で感じられる事です。
総合芸術と称されるオペラは、⽂学・⾳楽・演劇・舞踊が⼀つの作品に詰め込まれています。
そして、歌やオーケストラの⾳はマイクを通さず、演技や踊りはCGを使わない、全てが⽣の舞台です。
そこには嘘やごまかしのない、芸術家たちが技術を磨き命をかけて表現する美があり、実際に体験した⽅にしか分からない感動があります。
また、歌のピークには難しい⾼⾳や歌い回しがあり、サーカスの様な緊張感もあります。
⾒事に歌い上げると、役の感情も最⾼潮となり、観客は思わずブラーヴォと叫びたくなる⾼揚感を覚えるでしょう。
竹村 真実
明治大学文学部文学科ドイツ文学専攻を経て、東京音楽大学音楽学部音楽学科声楽専攻(声楽演奏家コース)を首席で卒業。新国立劇場オペラ研修所を修了。
研修所在籍中ミラノ・スカラ座研修所にて海外研修。
ANAスカラシップによりバイエルン州立歌劇場研修所にて海外研修。
第15回日本演奏家コンクール声楽部門大学生の部第1位、グランプリ賞、毎日新聞社賞等、受賞多数。